音楽と数学

2020年3月29日 (日)

音楽と数学(組み合わせ)

コロナで自粛中なので、久しぶりの音楽と数学を書きます。

今回のは数学的には簡単です。音楽的には難しいかもしれません。

皆さんディミニッシュスケールというのをご存じでしょうか?
知らない方のほうが多いと思いますが、ではディミニッシュコードというのは聞いたことがあるのではないでしょうか。

ギターで歌謡曲の伴奏を弾いたことがある人は、何とかdimというコードに出くわしたことと思います。
これがディミニッシュコードです。

さてこのディミニッシュコードは、ルート音から短三度の音を重ねていった音で構成されます。
たとえばCdim7であれば、Cdim7={C,Eb,Gb,A}という音の集合です。

この構成を12音の円環で表すと下のようになります。

Dim1_20200329124501

図1 Cdim7の構成

図の円の内側の四角形の頂点がディミニッシュコードの構成音です。
この図を見てわかるように、1オクターブを4つに分けたものがディミニッシュコードです。
1オクターブには12音あるので、実はディミニッシュコードの構成音のパターンは3つしかないことが分かります。

Dim2 

図2 ディミニッシュコードの構成パターン

さて、ここでディミニッシュスケールの話に移りましょう。
ディミニッシュスケールは、3つあるディミニッシュコードの構成音のうち2つ分を使用したものです。

さてここで数学です。
3つある構成音のうち2つ分を使用した場合、何パターンのスケールが作れるでしょうか?

答えは3つです。計算方法は次の式の通りです。

3C=3!/(2!×(3-2)!)=3×2×1/(2×1×1)=3

これは3つのものから2つのものを選択した組み合わせ数を表しています。!(エクスクラメーション)はその数字以下の整数を全て掛け合わせることを意味しています。
選択した2つを赤い四角で表し、その頂点を連結すると以下の3つの図のようになります。

Dims2

図3-1 ディミニッシュスケール1

Dims1

図3-2 ディミニッシュスケール2

Dims3

図3-3 ディミニッシュスケール3

しかしnCなんて普通の生活に使う人いないよなぁ。
ちなみに12音階から7音を選択してスケールを作ろうと思ったら何通りあるか?は次の式になります。

12C=12!/(7!×(12-7)!)=12×11×…/(7×6×…×5×4×…)=792

このうちルート音をシフトすると同じになるものがあるため、12で割ると66。
意外とありますね。

さて、ディミニッシュスケールはディミニッシュコードの時はもちろん、セブンス(属7)コードの際にも使用できます。
例えばC7の構成音を青点で表し、その構成音を含むディミニッシュコードは図3-2のスケール上に載ることがわかります。

Ccondim

図4 Cコンビネーションオブディミニッシュスケール

ただしセブンスのルート音から始まる場合、コンビネーションオブディミニッシュスケールという長ったらしい名前になります。
もしC7のコードが演奏中に出てきたら、Cの半音上C#/Dbからのディミニッシュスケールと考えることもできます。
スケールの名前なんてどうでもいいと思う人は、ルートとその半音上のdim7コードが構成音ということを思い出せばOKということですね✌

 

2019年9月21日 (土)

音楽と数学(微分積分)その3

さて涼しくなってやる気が出てきたので音楽と数学(微分積分)の続きです。

音量と微分積分が関係あると書いたままでした。

ギターやピアノや弦楽器などは、弾く強さを変えると音量が変化します。
これらの楽器は車の加速と同じで、音が出ているところに、音量が減衰しないうちに力を加えることで音を維持したり、さらに強い力を加えることで音を大きくします。
一応これらの楽器も微分積分と関係していますが、音量の減衰を含むため説明が難しいので今回は省略💦
その代わりに分かりやすい管楽器の方について説明します。

日本人なら義務教育時代に縦笛を吹いたことがあるでしょうから、一億総管楽器奏者と言っても過言ではありません。
なので皆さん全員が管楽器奏者という前提で書きます(笑)

では管楽器で音量を一定に保つにはどうしますか?

多分、アンブシュア(口と顎の形)を固定して、息を強くしたり弱くしないで一定の息の量を出すと思います。

その時の音量と時間のグラフは次の通りです。

Volume_1

あれ?どこかで見た図だと思ったら、音楽と数学(微分積分)その1の時間と速度のグラフとそっくりですね。
ちなみにdBはデシベルという音量の単位で、60dBは人間の会話の音量ぐらいになります。
音量も数字で表現できるので、音楽と数学はすでに関連がありますね。
また、時間の単位が前回はh(時間)でしたが、息を1時間も出し続けられる人はいないので、秒の単位のsに替えました。

この60dBの音を管楽器で出すにはどうするかと言うと、前述したように一定の息の量で出さないといけません。
息は気体なので、息の量の単位はℓ(リットル)を使った場合、このように一定の音量を出すには、楽器によって同じ音量にならないことがあります。
ですので、ここでは不定な値としてXを使いますが、その場合の一定の息の量を、一秒あたりの息の量として息の速度(ℓ/s)と表した場合に、次のグラフのようになります。

Vvelo_1

ここまでは音量の単位を変換しただけですね。
では、この息の速度を息の量から考えるとどうなるか?それが下のグラフです。

Vvelo_2

これも見たことがある図だと思ったら、音楽と数学(微分積分)その1の時間と距離のグラフと単位が違うだけですね。

つまり、速度と言うものは時間あたりの何らかの量を表していて、その累積が距離だったり息の量だったりします。
微分というのは、ある時間までに何かの量が変化した場合に、その変化量を細かい時間で表したもので、逆に積分は字の通り、細かい時間の変化量が積み重なった場合の全体量を表すということです。

今回は時間を分割する単位に使いましたが、微分積分では時間だけでなく、ある方向の変化が、別の方向の変化に影響を与える場合などでも使いますが、高校での微分積分はそちらの方を先にやるので理解がし難いのではないかと思う次第です。
中学で速度のグラフとかは扱うんですけどね。

余談ですが、音楽では音量の記号としてcrescendoやdecrescendo、ff、ppなどというのもあります。
これも管楽器の場合には、アンブシュアが固定かつ同じ楽器という前提で、息の速度を変えることで実現します。
ただし息の速度を上げると、管楽器の菅内の空気の圧力が上がり、逆に息の速度を弱めると圧力が下がります。
そして、アンブシュアを変化させると息の量は同じでも空気の圧力を変えることができます。
さらに、圧力が変化すると音程が若干変化します。
上手な演奏者は、その辺の理屈を練習や経験によって調整できるようになっているということです。
しかも楽器によっても変わるし。
これだけでも音楽って奥深いですね。

では今日はここまで。

2019年7月 7日 (日)

音楽と数学(番外編)

微分積分の途中ですが、今回は番外編として音楽での時間的な遅延の問題について書こうと思います。

先週は山﨑陽子氏主宰のLaranjaライブにも参加させていただきました。

そのライブでも少し演奏しましたが、笙のシミューレーションアプリを現在開発しています。

これは今までのアプリの技術を使いつつ、笙という雅楽の和音担当の楽器をアプリ上で再現しようと作成しています。

ただ新しいものを作るというのは色々と難しいことがあります。笙の和音を出すに到るまでにiPhoneXでの処理能力を越える部分もあり、こんなにコンピュータが発達しても、リアルタイムを追求するには研究開発の腕の見せ所です。

実は昨年はAndroidの方で、動画のリアルタイム配信に関わる仕事をしていました。基本的に高精度な画面データをリアルタイムで送信するには、必ず遅延が存在します。その際に使う低遅延送信が可能な動画と音声のフォーマットも世界で研究され、ハードウェアと共に発達しています。

4Kや8Kでの高精度画像のリアルタイム動画配信は現在は125ミリ秒(1秒の1/8)程度の遅延があり、単なる配信の場合は遅延した視聴でも一般のユーザーが困ることはありません。
ただし音楽でリアルタイムで演奏しようとした場合には、125ミリ秒の遅延があるとテンポ60の場合の32分音符の遅延が生じることになります。

一時期、ネットワークを通じて全世界で同時にセッションが出来ないかの実験がありました。動画で指揮を見ないでMIDIというデータだけなら、実際全世界に光速に近い速さでデータ転送が可能です。

しかしよく考えてください。ネットワークでは光速の通信ができるようになりましたが、実は光の速さは意外と遅いのです。

光の速さは約300メガ(m/s)=300,000(km/s)なので、一秒に300,000(km)進みます。地球の外周は約40,000(km)ですので、一般に光は300,000/40,000=7.5、つまり一秒に地球を7回半回れるということです。

うわぁ早い!と思った方、いや確かに早いのですが、リアルタイムで光通信で演奏した時に、日本にいる人がMIDIキーボードで音を出した音は、ほぼ日本の地球の裏側にいあるブラジルの人は、最速で地球の半周分の時間、1/(7.5×2)=1/15≒0.066...(秒) =66ミリ秒後に聴けることになります。

そしてその音に反応したブラジルの人の音を日本の人が聴くのは、最速でもその66ミリ秒後になるので、それだけで133ミリ秒の遅延が生じます。

この遅延は前述のテンポ60での32分音符よりも遅いということです。

セッションというのは演者それぞれの音を聴き、次の音を想像しつつやるものなのですが、お互いの演奏に66ミリ秒の遅延を加えて演奏する事は不可能です。先のブラジルオリンピックで、日本と現地との電話通信のズレがあったと思いますが、現在の最高技術を使っても、そうなってしまうことがわかります。

ただし、今回は極端な例を出しましたが、日本国内で本州内でセッションした場合2,000(km)ぐらいとして、2,000(km)/300,000(km/s)≒6.7ミリ秒で、 多分光通信で電話するのと同じですので、人間の予測コミの演奏であればできます。

さて以上から光より速いものがあるのであれば全世界セッションが出来ますが、それよりもタイムマシンが出来てしまいます(笑)

ではまた。

2019年6月16日 (日)

音楽と数学(微分積分) その2

前回書いたのは3月でしたね。すっかり忘れてました。まぁ誰も気にしてないとは思いますが、音楽と数学(微分積分)の続きを書きます。

さて、みなさん答えはわかったでしょうか?
音楽の中での微分積分。

答えは音量です。

では次回!

 

 

 

 

なんちゃって(笑)

いやいや最近梅雨だしいろいろやるのが面倒くさいので、次回にしようと思いましたがしょうがない。ちょっとだけ書きますか。

芸術の中でも、彫刻のような造形物みたいなものは何年も同じ形状をして楽しませてくれますが、音楽なんてもんは、ジャズメンのエリックドルフィーさんも「When you hear music, after it's over, it's gone in the air, you can never capture it again!」と言ったように、瞬間に消えていくもので、時間の流れというパラメータがない世界では何もできないです。

さてそんな時間の流れで、音楽において音量は一定であったり、増えて行ったり減って行ったりします。
ではその音量はどのようにして人間が調整しているか?

ここが音楽における微分積分になります。
もうおわかりでしょう。

さて一気に書いたら休憩したくなったので、今日はこの辺で☀

2019年3月28日 (木)

音楽と数学(微分積分) その1

さて久しぶりに音楽と数学です。
今回は、微分積分と音楽の関わりについて書こうと思います。
微分積分というだけで、すでに難しそうですね😅
多分、微分積分は高校で学ぶはずですが、習ったときはこんなもんが何の役に立つんだろうと思ったことでしょう。
ところが、実生活では意外と使っていることが多いんですよ。

単純なものだと、目的地までの到着予想時間、お風呂のお湯がたまるまでの時間の計算とか。
業務用だと、商品を安くするための材料の最低必要量の計算や、複雑な形状の面積計算とか。

この中から一つ例として到着予想時間を考えてみましょう。
速度というのは、ある時間における瞬間的な距離の変化量を意味しています。
このことを、移動した距離:L(km)をL、時間tをパラメータとしたF(t)という関数で表します。

L=F(t)

としましょう。
例えば、tの単位を(h:時間)として、時速60(km/h)で1時間移動した場合は、

L=F(t)=60 × t … ①

という時間:tと距離:Lが正比例する関数で表すことができます。この辺は中学の数学や物理の授業でもやったことと思います。
そして、この式のグラフは下のようになります。

V_2

これを別の観点から考えると、一定の速度60(km/h)でt(h)移動したので、下のグラフのように考えることもできます。

V_1

ここで、60(km/h)を縦で、t(h)を横にした長方形の面積は60×t(km)。
つまり①式からL(km)と同じになります。
このように、変化量を時間で積み重ねたものというのが積分です。
見たことのない人にはちょっと難しいですが、式で表すと、

L=∫ F'(t) dt = ∫ 60 dt … ②

で、①と②の式は同じ意味を表しています。(F'はFをtで微分した関数)

実際の移動は、こんなに簡単ではなく、速度が時間によって頻繁に変化すると思います。
そのような場合でも、速度と時間のグラフを積分することで、到達距離を求めることができます。
上記の速度と距離の関係のように、データの変化量とその結果の関係が、微分積分の基本と言うことです。

さて、こんな微分積分ですが音楽ではどこにあるか考えてみてください。
あるんですよこれが。
なんだかすごくワクワクしませんか?

答は次回!🚗

2019年1月12日 (土)

音楽と数学(割り算) その2

年も明けたし気を取り直して、久しぶりに音楽と数学を書きます。

前回の音楽と数学(割り算)で、12音階ではない音階について探求すると書いたまま、最後に「お楽しみに!」と書いてました。
万一お楽しみにしていた人がいたらまずいと思い、今回はその辺について書こうと思いましたので(笑)

平均律の便利な点は、何と言っても転調が簡単にできるということでしょう。
例えば12音平均律で、キーがCの曲を他のキーにすることもあると思いますが、平均律では半音と全音の組み合わせパターンをそのままにして、ルート音をシフトすれば別のキーに簡単に移行できます。

ということは特に12音でなくても、平均律であればルート音をシフトすれば、同じ音程パターンでできるということです。

実際に東南アジアの音楽では、7音のほぼ等間隔音程で構成された音楽もありますし、5音等間隔に近い音程での構成もあります。(参考文献:東海大学出版会、音楽史シリーズ8、東洋民族の音楽 W.P.マルム著、松前紀男・村井範子 訳)

1オクターブを1200という値にして、半音を100で表した場合の単位をセント(Cent) というのは、今までに何回か書いてきたと思います。

セントを使うと、N音平均律の場合の音程は、

1200/N (セント)

で表せます。例えば、5音平均律では、1200/5=240(セント)ですね。
例えば5音平均律と7音平均律が、12音平均律とどれだけズレているのか?

以上の平均律の1オクターブ分をセントで表現すると、ルート音を0とすると次の様になります。

5音平均律(セント)={ 0, 240, 480, 720, 960, 1200 }
7音平均律(セント)={ 0, 171.4, 342.9, 514.3, 685.7, 857.1, 1028.6, 1200 }

この中で、10の位に4〜6があるものは、12音平均律から大きく外れていて、クウォータートーン(1/4音)に近い音になります。

以下の図では、12音平均律を1オクターブとして12分割し、内側の円を12色で色分けして表現し、外側のドーナツ部分をそれぞれ5音平均律と7音平均律の1オクターブを色分けしています。(音高の円形表現については、本ブログの「音楽と数学(円)を参照してください。)
また、前述のクウォーター部分のズレに白丸印を付けています。

Div5

     (図1) 5音平均律と12音平均律の比較

Div7

     (図2) 7音平均律と12音平均律の比較

これらの図を簡単に説明すると、円の頂点(一番上)の部分を1オクターブの基音としています。そこを起点にこの図の場合は右回りでも左回りでもいいのですが、内側の12音平均律は、30°ずつで半音(100セント)を表しています。一周すると1オクターブ(1200セント)になります。

この2つの平均律で面白いのは、平均律でいう完全4度と、完全5度(いずれも頂点から30°×5=150°回転した位置)はそれほど大きなズレがなく、平均律の特徴から転調が簡単であることから、5音平均律と7音平均律では、楽曲におけるⅠ→Ⅳ→Ⅰ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ、Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰという進行が可能であるということです。

これは単調な曲で終わらず、展開のある曲としての可能性を示しています。

ちなみにNが4以下の場合と6の場合は、全ての数が12の約数であるため、12音平均律上に存在します。
Nの値をもっと大きくして、11音平均律を作ってみても面白いと思います。
今の音階で飽きてきたら、12音平均律以外の音階の音楽が、当たり前になる時代もくるかもしれませんね。

ではまた

2018年9月 6日 (木)

音楽と数学(割り算) その1

実は、音楽と割り算は意外と密接な関係があります。
すでに「音楽と数学」の記事を読んだことのある方は何度か目にしているはずです。

まずリズムについて考えてみます。

楽譜に表記される4分音符、8分音符などは、1小節の時間を4つや8つに割って得られます。
また、3連符や5連符は、1拍を3つや5つに割るというのは、ある程度音楽をやっている方はわかるでしょう。

このように、リズムに関しては、ある時間を均等に分割したタイミングで音を発することで、曲を演奏することができます。

次に、音高について考えてみます。

音の元になる音波の周波数を考えると、例えばチューナーでAの音を440(Hz)とした場合、1オクターブ上は同じくAの音で880(Hz)で、1オクターブ下の音は同じくAの音で220(Hz)になります。以上は、頭の中で440に対して、2を掛けたり割ったりするとこの答が出てくることがわかります。

そして平均律という音階は、1オクターブを均等に12分割してできた音階です。
そもそも1オクターブというのは、ある周波数の音があるとして、その音の2倍の周波数の音は1オクターブ上になり、0.5倍の周波数だと1オクターブ下になります。
これらのことは、すでにブログに書いていますが、周波数と音程の関係は指数関数で表されるため、以下のような式になります。(Nは整数。Nを1で増減することで半音を表す。)

f(N) = 440 ×2(N/12)(2のN/12乗)

詳細はブログを参照(ここをクリック)していただくとして、ここで1オクターブを均等に12個に分割するというのは、上の式のN/12に現れています。
ここにN=0とN=12を入れると、N/12は0と1になり、このときの2(N/12)の値は1と2になります。N=24の時は4倍、N=-12の時は0.5倍。これで1オクターブの周波数がNが12増えるたびに2倍になり、1オクターブを12分割した分が半音になることがわかります。

平均律ではない音階としては、純正律やピタゴラス律があります。これらは、音程自体が周波数の割り算で表されます。
例えばAの音に対して完全五度の音であるEは、Aの周波数に対して3倍したものに対して、2で割って1オクターブ内の周波数に収めます。

つまり、A=440(Hz)とすると、

E = 440 × 3 / 2 = 660 (Hz)

と言うことになります。

さて、ここまでは今までの復習ですね。
音楽と割り算の関わりが少しわかったのではないでしょうか?

では、次回の音楽と数学(割り算)は、12音階でないものを探求してみます。

お楽しみに

2018年7月28日 (土)

音楽と数学(グラフ理論) その2

お待たせしました。その1(リンク先)を書いたので、次のネタは実は決まっていました

前回はブルースのコード進行をグラフ理論でどのような図になるかを書きました。

グラフ理論では、点(ノード)と線(エッジ)によって、複数のものに関する関連性を示すことができます。また図で書いたものを別のデータ形式にすることができます。このデータ形式を比較することで同じ構造・構成かどうかが一目でわかります。

グラフ理論で用いるグラフは、大きく分けて有向グラフと無向グラフがあります。

Cのブルースのコード進行は、C→F→C→G→F→Cと前回も書きましたが、前回の図をみても、それぞれのコードの関係に向きがあるのは直感でわかるのではないでしょうか?

またここで行列が出てきます。実は、グラフ理論の別のデータ形式というのは行列です。Cのブルースのコード進行で、Cを1列と1行、Fを2列と2行、Gを3列と3行の隣接行列で表すと、下の図のようになります。1は繋がりがあり、0には繋がりがないという意味です。また今回は有向グラフですので、行が繋がる元で、列は繋がる先を意味します。ちなみに無向グラフの場合、繋がる元と繋がる先が逆にもなり双方向になるため、対称行列(行列の対角線を中心にして値が同じもの)となります。

Cfg

 

同じコードへの移動は常に可能ですので1を入れます。C→Fの繋がりは、1行2列目に1が入ります。同様にほかの繋がり部分F→C、C→G、G→Fに1を入れ関係のない部分は0にします。

見てわかるように0が2箇所ありますね?
これは、F
G、GCの進行がないということです。
仮に、Cのブルースを無向グラフで表した場合には、G→FとC→Gの進行はあるので、0のない行列になって全てが1で埋まってしまいます。
そうなると曲進行の特徴はわからなくなります。

今回はCのブルースという簡単な進行を示してみましたが、実はブルースのコード進行というのはキーが移動している(転調している)という特殊な進行です。
またCのブルースと言っても、実際にはC7も適用できるので、属7の一発もののキーが3つあると考えることもできます。

実はこのコード進行は、色々と奥深いものがあるのですが、それはまた別の機会に。

2018年5月14日 (月)

音楽と数学(グラフ理論) その1

久しぶりに音楽と数学を書きます。
本当は来週5/26(土)がライブ本番なんで、ライブのことでも書こうと思いましたが、今年になっていろいろ書きすぎてネタがないので、もはや皆さんには来ていただくしかありません(笑)
もしかしたら音楽と数学の話もするかもしれませんのでお楽しみに。

…で、しばらく書いてなかったものの、何か音楽と数学で密接にかかわるものがあったようななかったような、もやもやした感覚を持っていたのですが、思い出しました。

タイトルの『グラフ理論』です。高校生以下の人だと、聞いたことがないかもしれません。

グラフ理論を簡単に言うと、点と線で繋がったものだと考えてください。

そもそもグラフという言葉は、絵という意味なので、図形化したものはグラフですね。棒グラフや折れ線グラフや、中学から学ぶXYグラフもあります。

今回のグラフはもっと一般的なもので、下のような図で点と線で繋がったものです。

Graph1_2

この場合の点に意味があったり、線に方向があったり、線が曲線でも(下の図)やはりグラフです。

 

Graph2

ここまでくると勘の良い人なら、音楽で似たような構造があることに気付くと思います。
例えば楽曲構造。A-A-B-A形式とかありますが、AとBの点があって、方向性を持つ線で表現できます。
またコード進行。ジャズをやっている人であれば、Ⅲ→Ⅵ→Ⅱ→Ⅴ→Ⅰというように、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ、Ⅵという点と、方向性を持った線で表現できます。

ということで今回は、Cのブルースを題材にします。
Cのブルースでは、基本的にはCとGとFのコードを使います。ジャズとかおしゃれなサウンドになると、それぞれが7thコードになったり、それぞれのコードをⅡ→Ⅴに分解したり、代理コードに置き換えたりしますが、そこは今回は置いといて、基本的なもので表すことにします。
Cのブルースのコード進行は、C→F→C→G→F→Cですので、次のようなグラフになります。

 

Graph3

わかりやすいと思いませんか?
多分ほとんどの人は、譜面上のコード進行と繰り返し記号を読むことで、覚えると思いますが、それをシンプルな図にしただけですね。

さてブルースの場合は、5音(ドレミソラ)を使ったメジャーペンタトニックスケールを、各コードの部分で使えば間違いありません。(例えばFのコードでは、F、G、A、C、Dの5音)

C、F、Gの全てで、Cのブルーノートスケールを使うというのもありますが、グラフ理論とは関係ないので今回はパス。

ということで、CのブルースではC、F、Gのそれぞれのメジャーペンタトニックスケールを使って、頭の中で、上に書いた図を思い出せば、どこでもブルースは演奏できますね。

さて「音楽と数学(グラフ理論) その1」と書いてしまったので、次もきっとあると思います

次回もお楽しみに!

2017年10月 7日 (土)

音楽と数学 (比例) その2 

涼しくなって頭がスッキリしてきたので、連続で音楽と数学を書きます。
「確率」を書いていたところで、気が変わったので、ちょっと置いといて、「比例」について書きます。

「比例」については、以前一回書いています(参照)。
今回はその2ということで、もう少し楽器に近い物理的なところを書きたいと思います。

音の速さは中学で習ったはずですよね?
音楽の元になる、周波数や波長については、高校の物理の範囲なのでちょっと難しいかもしれませんが、覚えておくと役にたつかもしれません。
周波数は耳で聞けば音の高さで認識されるため、ある程度はわかりますが、波長なんて聞こえないし、見えないし、味もしないし、匂いもしないので全然わかりませんね。
あの人とは波長が合わないとか言うこともありますが、その場合も見えないから適当なことを言っているとしか思えません

多分波長に関して、人間が認識しやすいのは管楽器でしょう。
例えば、周波数が高い楽器は管が短く、低い楽器は管が長い、または周波数が高い楽器は小さめで、低い楽器は管が大きいと言うイメージは、トランペットとチューバを考えるとわかると思います。
ちなみにBbのトランペットの管の長さは1.37mで、Bbのチューバの管の長さは5.4mぐらいです。ちょうど両方Bb管なのでこの数字の比率は5.4/1.37=3.94..で大体4倍ぐらい違うと言うことです。
ここで正確に4にならないのは、管楽器の場合は管の太さに比例する開口端補正というものが生じるためですが、詳細はググって調べてみてください
トランペットは細く、チューバは太いので、トランペットに0.01m(=1cm)、チューバに0.12m(=12cm)の開口端補正を考えてみると、5.52/1.38=4でぴったり4倍になります。

管の長さが半分になると1オクターブ高くなることはピッコロとフルートの関係を見ればわかりやすいと思います。トランペットとチューバのように、管の長さが4倍違う場合は、2オクターブ違うと言うことですね。

このことから、周波数(f)と波長(λ)にはお互いに関係がありそうだと言うことは薄々感じると思いますが、これに波の速さ(v)を加えると、以下の式で表せます。

f(Hz) = v(m/s) / λ(m)  … (1)

(1)にあるように、vの単位は(m/s)でλは(m)なので、単位だけで計算すると、fは(1/s)で秒の逆数になっていますが一般的にはHz(ヘルツ)という単位になります。(mはメートル、sはseconds=秒を表しています)
そして中学で習った空気中の音波の速さ(m/s)は、

v ≒ 331.5 + 0.6 × T  (Tは℃(気温)) … (2)

と表せます。つまり気温によってほぼ一定ということです。
ここで(1)式と(2)式を合わせ、空気の気温を20℃とすると、

f(Hz) ≒ 343.5(m/s) / λ(m) … (3)

となり、音波の伝達物質が固定の場合、波長(λ)と周波数(f)は反比例の関係になることがわかります。

ただし、これが空気ではなく固体や水中やヘリウムガスの中の場合では、速度が変わり(3)式の343.5の部分が大きい値(塩素や二酸化炭素の気体中では小さい値)になります。

また、ヘリウムガスを吸ったときに声が高くなるのは、肺の中から口に出すまでの間の空気の中での音波の伝達が速くなるために周波数が増加します。
同じく、管楽器の場合も音の発生源である管の中を伝わるので周波数が増加します。
ところがギターや打楽器、スピーカーから流れる音の場合は音の発生源には影響を与えません。そのため水中やヘリウムガスが充満した空間で音楽を流しても、周波数は変わりません。
その代わり音速に波長が変わります。

ということで、(1)の式から、同じ音がなっている(周波数が一定)場合で、音波の速さが大きくなったときには、波長も大きくなるということです。この場合は、(1)を変形した式で考えるとわかりやすいと思います。

v (m/s) = f(Hz) × λ(m) … (1)'

(1)'では、 f が固定の場合には、速度(v)が大きくなるときには波長(λ)が大きくなるという比例関係があることがわかります。

ちなみに音波というのは、伝播する物質の振動、つまり圧力変化で伝わるため、物質がない真空状態では音は伝わりません。
あとパトカーや救急車のサイレンが、近づくときと遠ざかるときで音が下がる、ドップラー効果はご存知でしょう。
これは音源の車の前方では、音源の移動による速度分だけ、波長が圧縮されるため音高が上がり、後方では波長が伸びるために音高が下がります。

さらに究極のドップラー効果で、音速を超える飛行機から発生する音の斜め前方では、音の速さよりも音の発生源の移動の方が速いために、波長が圧縮され空気の壁となるために、衝撃波という強烈な空気圧が発生するわけです。

今回は数学というよりは物理ですね。
ちょっと難しかったかもしれません

ではまた。

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