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2015年6月14日 (日)

音楽と数学(円) その4

さてそろそろ数学に近い所を書きましょうか。

その3の方では、完全一度、短二度、長二度、短三度・・・
のそれぞれの音程は、0°、30°、60°、90°に対応すると書きました。
ここで音程とは、二音間の音の間隔を意味しています。
さて、これを半径1の円上の座標値であらわし、円上の基準の基準の1点を(X,Y)=(1, 0)と、一番右端の座標値とすると、
完全一度 → (1,0)=(cos0°,sin0°)
短二度  → (cos30°,sin30°)
長二度  → (cos60°,sin60°)
短三度  → (cos90°,sin90°)
に対応し、図に描くと下のようになります。

 

Graph6132
これを見てわかるように、ある基準点からそれぞれの音は、円上に乗ることがわかります。
まぁここまでは簡単ですが、では短二度の位置から、短三度の位置に音の移動を行ったとします。
そうすると、短二度の位置から60°回転させるとちょうど短三度の位置になるのがわかります。
つまり、これをX方向とY方向の値で考えると、
cos90°=cos(30°+60°)
sin90°=sin(30°+60°)
ということがわかります。
ここで一般に、半径1上にある座標値を、原点Oを中心にθの回転として表す場合、(X,Y)から(X',Y')へ角度θの回転は、次の式が成り立ちます。
X' = X × cosθ - Y × sinθ  ー ①
Y' = X × sinθ + Y × cosθ  ー ②
これは図で示すとAからBへの角度θの回転移動になります。

 

Graph613
なぜこの式になるかは、AからBへの回転を、ベクトルOP + ベクトルPBという点の移動として考えてみると、点Pの座標はベクトルOPと等しく
(X × cosθ, Y × cosθ)。
ベクトルOAの法線ベクトルは、(-Y, X)でこれがベクトルPBと同じ向きになります。
そしてベクトルが(-Y, X)の場合の長さは、(X, Y)が半径1の円上にあることと、
√((-Y)2 + (X)2) = √((X)2 + (Y)2) = 1
ということから、同じく1になります。このことと、ベクトルPBの長さがsinθから、
ベクトルPB = (-Y × sinθ, X × sinθ)
以上から、Bの座標値であるベクトルOBは、
ベクトルOB = ベクトルOP + ベクトルPB
      = (X × cosθ, Y × cosθ) + (-Y × sinθ, X × sinθ)
      = (X × cosθ - Y × sinθ, X × sinθ + Y × cosθ)
      = (①の式, ②の式)
さて、これで回転は習得できたと思うので(笑)、元の短二度(cos30°,sin30°)からさらに短三度の移動(60°回転)をこの演算を用いると、次の式が成り立ちます。
cos90°= cos30°× cos60°- sin30°× sin60°
sin90°= cos30°× sin60°+ sin30°× cos60°
これである音高からある音程への移動は、回転であらわすことができるということです。
ちなみに、ここで元の音高位置30°、移動音程60°を、角度α、回転角βであらわすと、移動後の音高はα+βになるので、下の式になります。

cos(α+β) = cosα× cosβ - sinα× sinβ

sin(α+β) = cosα× sinβ + sinα× cosβ

これは三角関数の加法定理ですね。高校の数学の試験で加法定理を忘れた場合は、①と②の式さえ思い出せれば、加法定理が作れるということです。
加法定理が作れれば、倍角の法則や半角の法則なども導けるので、この式を覚えるだけで怖いものなしです。
ではまた。

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