音楽と数学

2019年6月16日 (日)

音楽と数学(微分積分) その2

前回書いたのは3月でしたね。すっかり忘れてました。まぁ誰も気にしてないとは思いますが、音楽と数学(微分積分)の続きを書きます。

さて、みなさん答えはわかったでしょうか?
音楽の中での微分積分。

答えは音量です。

では次回!

 

 

 

 

なんちゃって(笑)

いやいや最近梅雨だしいろいろやるのが面倒くさいので、次回にしようと思いましたがしょうがない。ちょっとだけ書きますか。

芸術の中でも、彫刻のような造形物みたいなものは何年も同じ形状をして楽しませてくれますが、音楽なんてもんは、ジャズメンのエリックドルフィーさんも「When you hear music, after it's over, it's gone in the air, you can never capture it again!」と言ったように、瞬間に消えていくもので、時間の流れというパラメータがない世界では何もできないです。

さてそんな時間の流れで、音楽において音量は一定であったり、増えて行ったり減って行ったりします。
ではその音量はどのようにして人間が調整しているか?

ここが音楽における微分積分になります。
もうおわかりでしょう。

さて一気に書いたら休憩したくなったので、今日はこの辺で☀

2019年3月28日 (木)

音楽と数学(微分積分) その1

さて久しぶりに音楽と数学です。
今回は、微分積分と音楽の関わりについて書こうと思います。
微分積分というだけで、すでに難しそうですね😅
多分、微分積分は高校で学ぶはずですが、習ったときはこんなもんが何の役に立つんだろうと思ったことでしょう。
ところが、実生活では意外と使っていることが多いんですよ。

単純なものだと、目的地までの到着予想時間、お風呂のお湯がたまるまでの時間の計算とか。
業務用だと、商品を安くするための材料の最低必要量の計算や、複雑な形状の面積計算とか。

この中から一つ例として到着予想時間を考えてみましょう。
速度というのは、ある時間における瞬間的な距離の変化量を意味しています。
このことを、移動した距離:L(km)をL、時間tをパラメータとしたF(t)という関数で表します。

L=F(t)

としましょう。
例えば、tの単位を(h:時間)として、時速60(km/h)で1時間移動した場合は、

L=F(t)=60 × t … ①

という時間:tと距離:Lが正比例する関数で表すことができます。この辺は中学の数学や物理の授業でもやったことと思います。
そして、この式のグラフは下のようになります。

V_2

これを別の観点から考えると、一定の速度60(km/h)でt(h)移動したので、下のグラフのように考えることもできます。

V_1

ここで、60(km/h)を縦で、t(h)を横にした長方形の面積は60×t(km)。
つまり①式からL(km)と同じになります。
このように、変化量を時間で積み重ねたものというのが積分です。
見たことのない人にはちょっと難しいですが、式で表すと、

L=∫ F'(t) dt = ∫ 60 dt … ②

で、①と②の式は同じ意味を表しています。(F'はFをtで微分した関数)

実際の移動は、こんなに簡単ではなく、速度が時間によって頻繁に変化すると思います。
そのような場合でも、速度と時間のグラフを積分することで、到達距離を求めることができます。
上記の速度と距離の関係のように、データの変化量とその結果の関係が、微分積分の基本と言うことです。

さて、こんな微分積分ですが音楽ではどこにあるか考えてみてください。
あるんですよこれが。
なんだかすごくワクワクしませんか?

答は次回!🚗

2019年1月12日 (土)

音楽と数学(割り算) その2

年も明けたし気を取り直して、久しぶりに音楽と数学を書きます。

前回の音楽と数学(割り算)で、12音階ではない音階について探求すると書いたまま、最後に「お楽しみに!」と書いてました。
万一お楽しみにしていた人がいたらまずいと思い、今回はその辺について書こうと思いましたので(笑)

平均律の便利な点は、何と言っても転調が簡単にできるということでしょう。
例えば12音平均律で、キーがCの曲を他のキーにすることもあると思いますが、平均律では半音と全音の組み合わせパターンをそのままにして、ルート音をシフトすれば別のキーに簡単に移行できます。

ということは特に12音でなくても、平均律であればルート音をシフトすれば、同じ音程パターンでできるということです。

実際に東南アジアの音楽では、7音のほぼ等間隔音程で構成された音楽もありますし、5音等間隔に近い音程での構成もあります。(参考文献:東海大学出版会、音楽史シリーズ8、東洋民族の音楽 W.P.マルム著、松前紀男・村井範子 訳)

1オクターブを1200という値にして、半音を100で表した場合の単位をセント(Cent) というのは、今までに何回か書いてきたと思います。

セントを使うと、N音平均律の場合の音程は、

1200/N (セント)

で表せます。例えば、5音平均律では、1200/5=240(セント)ですね。
例えば5音平均律と7音平均律が、12音平均律とどれだけズレているのか?

以上の平均律の1オクターブ分をセントで表現すると、ルート音を0とすると次の様になります。

5音平均律(セント)={ 0, 240, 480, 720, 960, 1200 }
7音平均律(セント)={ 0, 171.4, 342.9, 514.3, 685.7, 857.1, 1028.6, 1200 }

この中で、10の位に4〜6があるものは、12音平均律から大きく外れていて、クウォータートーン(1/4音)に近い音になります。

以下の図では、12音平均律を1オクターブとして12分割し、内側の円を12色で色分けして表現し、外側のドーナツ部分をそれぞれ5音平均律と7音平均律の1オクターブを色分けしています。(音高の円形表現については、本ブログの「音楽と数学(円)を参照してください。)
また、前述のクウォーター部分のズレに白丸印を付けています。

Div5

     (図1) 5音平均律と12音平均律の比較

Div7

     (図2) 7音平均律と12音平均律の比較

これらの図を簡単に説明すると、円の頂点(一番上)の部分を1オクターブの基音としています。そこを起点にこの図の場合は右回りでも左回りでもいいのですが、内側の12音平均律は、30°ずつで半音(100セント)を表しています。一周すると1オクターブ(1200セント)になります。

この2つの平均律で面白いのは、平均律でいう完全4度と、完全5度(いずれも頂点から30°×5=150°回転した位置)はそれほど大きなズレがなく、平均律の特徴から転調が簡単であることから、5音平均律と7音平均律では、楽曲におけるⅠ→Ⅳ→Ⅰ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ、Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰという進行が可能であるということです。

これは単調な曲で終わらず、展開のある曲としての可能性を示しています。

ちなみにNが4以下の場合と6の場合は、全ての数が12の約数であるため、12音平均律上に存在します。
Nの値をもっと大きくして、11音平均律を作ってみても面白いと思います。
今の音階で飽きてきたら、12音平均律以外の音階の音楽が、当たり前になる時代もくるかもしれませんね。

ではまた

2018年9月 6日 (木)

音楽と数学(割り算) その1

実は、音楽と割り算は意外と密接な関係があります。
すでに「音楽と数学」の記事を読んだことのある方は何度か目にしているはずです。

まずリズムについて考えてみます。

楽譜に表記される4分音符、8分音符などは、1小節の時間を4つや8つに割って得られます。
また、3連符や5連符は、1拍を3つや5つに割るというのは、ある程度音楽をやっている方はわかるでしょう。

このように、リズムに関しては、ある時間を均等に分割したタイミングで音を発することで、曲を演奏することができます。

次に、音高について考えてみます。

音の元になる音波の周波数を考えると、例えばチューナーでAの音を440(Hz)とした場合、1オクターブ上は同じくAの音で880(Hz)で、1オクターブ下の音は同じくAの音で220(Hz)になります。以上は、頭の中で440に対して、2を掛けたり割ったりするとこの答が出てくることがわかります。

そして平均律という音階は、1オクターブを均等に12分割してできた音階です。
そもそも1オクターブというのは、ある周波数の音があるとして、その音の2倍の周波数の音は1オクターブ上になり、0.5倍の周波数だと1オクターブ下になります。
これらのことは、すでにブログに書いていますが、周波数と音程の関係は指数関数で表されるため、以下のような式になります。(Nは整数。Nを1で増減することで半音を表す。)

f(N) = 440 ×2(N/12)(2のN/12乗)

詳細はブログを参照(ここをクリック)していただくとして、ここで1オクターブを均等に12個に分割するというのは、上の式のN/12に現れています。
ここにN=0とN=12を入れると、N/12は0と1になり、このときの2(N/12)の値は1と2になります。N=24の時は4倍、N=-12の時は0.5倍。これで1オクターブの周波数がNが12増えるたびに2倍になり、1オクターブを12分割した分が半音になることがわかります。

平均律ではない音階としては、純正律やピタゴラス律があります。これらは、音程自体が周波数の割り算で表されます。
例えばAの音に対して完全五度の音であるEは、Aの周波数に対して3倍したものに対して、2で割って1オクターブ内の周波数に収めます。

つまり、A=440(Hz)とすると、

E = 440 × 3 / 2 = 660 (Hz)

と言うことになります。

さて、ここまでは今までの復習ですね。
音楽と割り算の関わりが少しわかったのではないでしょうか?

では、次回の音楽と数学(割り算)は、12音階でないものを探求してみます。

お楽しみに

2018年7月28日 (土)

音楽と数学(グラフ理論) その2

お待たせしました。その1(リンク先)を書いたので、次のネタは実は決まっていました

前回はブルースのコード進行をグラフ理論でどのような図になるかを書きました。

グラフ理論では、点(ノード)と線(エッジ)によって、複数のものに関する関連性を示すことができます。また図で書いたものを別のデータ形式にすることができます。このデータ形式を比較することで同じ構造・構成かどうかが一目でわかります。

グラフ理論で用いるグラフは、大きく分けて有向グラフと無向グラフがあります。

Cのブルースのコード進行は、C→F→C→G→F→Cと前回も書きましたが、前回の図をみても、それぞれのコードの関係に向きがあるのは直感でわかるのではないでしょうか?

またここで行列が出てきます。実は、グラフ理論の別のデータ形式というのは行列です。Cのブルースのコード進行で、Cを1列と1行、Fを2列と2行、Gを3列と3行の隣接行列で表すと、下の図のようになります。1は繋がりがあり、0には繋がりがないという意味です。また今回は有向グラフですので、行が繋がる元で、列は繋がる先を意味します。ちなみに無向グラフの場合、繋がる元と繋がる先が逆にもなり双方向になるため、対称行列(行列の対角線を中心にして値が同じもの)となります。

Cfg

 

同じコードへの移動は常に可能ですので1を入れます。C→Fの繋がりは、1行2列目に1が入ります。同様にほかの繋がり部分F→C、C→G、G→Fに1を入れ関係のない部分は0にします。

見てわかるように0が2箇所ありますね?
これは、F
G、GCの進行がないということです。
仮に、Cのブルースを無向グラフで表した場合には、G→FとC→Gの進行はあるので、0のない行列になって全てが1で埋まってしまいます。
そうなると曲進行の特徴はわからなくなります。

今回はCのブルースという簡単な進行を示してみましたが、実はブルースのコード進行というのはキーが移動している(転調している)という特殊な進行です。
またCのブルースと言っても、実際にはC7も適用できるので、属7の一発もののキーが3つあると考えることもできます。

実はこのコード進行は、色々と奥深いものがあるのですが、それはまた別の機会に。

2018年5月14日 (月)

音楽と数学(グラフ理論) その1

久しぶりに音楽と数学を書きます。
本当は来週5/26(土)がライブ本番なんで、ライブのことでも書こうと思いましたが、今年になっていろいろ書きすぎてネタがないので、もはや皆さんには来ていただくしかありません(笑)
もしかしたら音楽と数学の話もするかもしれませんのでお楽しみに。

…で、しばらく書いてなかったものの、何か音楽と数学で密接にかかわるものがあったようななかったような、もやもやした感覚を持っていたのですが、思い出しました。

タイトルの『グラフ理論』です。高校生以下の人だと、聞いたことがないかもしれません。

グラフ理論を簡単に言うと、点と線で繋がったものだと考えてください。

そもそもグラフという言葉は、絵という意味なので、図形化したものはグラフですね。棒グラフや折れ線グラフや、中学から学ぶXYグラフもあります。

今回のグラフはもっと一般的なもので、下のような図で点と線で繋がったものです。

Graph1_2

この場合の点に意味があったり、線に方向があったり、線が曲線でも(下の図)やはりグラフです。

 

Graph2

ここまでくると勘の良い人なら、音楽で似たような構造があることに気付くと思います。
例えば楽曲構造。A-A-B-A形式とかありますが、AとBの点があって、方向性を持つ線で表現できます。
またコード進行。ジャズをやっている人であれば、Ⅲ→Ⅵ→Ⅱ→Ⅴ→Ⅰというように、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ、Ⅵという点と、方向性を持った線で表現できます。

ということで今回は、Cのブルースを題材にします。
Cのブルースでは、基本的にはCとGとFのコードを使います。ジャズとかおしゃれなサウンドになると、それぞれが7thコードになったり、それぞれのコードをⅡ→Ⅴに分解したり、代理コードに置き換えたりしますが、そこは今回は置いといて、基本的なもので表すことにします。
Cのブルースのコード進行は、C→F→C→G→F→Cですので、次のようなグラフになります。

 

Graph3

わかりやすいと思いませんか?
多分ほとんどの人は、譜面上のコード進行と繰り返し記号を読むことで、覚えると思いますが、それをシンプルな図にしただけですね。

さてブルースの場合は、5音(ドレミソラ)を使ったメジャーペンタトニックスケールを、各コードの部分で使えば間違いありません。(例えばFのコードでは、F、G、A、C、Dの5音)

C、F、Gの全てで、Cのブルーノートスケールを使うというのもありますが、グラフ理論とは関係ないので今回はパス。

ということで、CのブルースではC、F、Gのそれぞれのメジャーペンタトニックスケールを使って、頭の中で、上に書いた図を思い出せば、どこでもブルースは演奏できますね。

さて「音楽と数学(グラフ理論) その1」と書いてしまったので、次もきっとあると思います

次回もお楽しみに!

2017年10月 7日 (土)

音楽と数学 (比例) その2 

涼しくなって頭がスッキリしてきたので、連続で音楽と数学を書きます。
「確率」を書いていたところで、気が変わったので、ちょっと置いといて、「比例」について書きます。

「比例」については、以前一回書いています(参照)。
今回はその2ということで、もう少し楽器に近い物理的なところを書きたいと思います。

音の速さは中学で習ったはずですよね?
音楽の元になる、周波数や波長については、高校の物理の範囲なのでちょっと難しいかもしれませんが、覚えておくと役にたつかもしれません。
周波数は耳で聞けば音の高さで認識されるため、ある程度はわかりますが、波長なんて聞こえないし、見えないし、味もしないし、匂いもしないので全然わかりませんね。
あの人とは波長が合わないとか言うこともありますが、その場合も見えないから適当なことを言っているとしか思えません

多分波長に関して、人間が認識しやすいのは管楽器でしょう。
例えば、周波数が高い楽器は管が短く、低い楽器は管が長い、または周波数が高い楽器は小さめで、低い楽器は管が大きいと言うイメージは、トランペットとチューバを考えるとわかると思います。
ちなみにBbのトランペットの管の長さは1.37mで、Bbのチューバの管の長さは5.4mぐらいです。ちょうど両方Bb管なのでこの数字の比率は5.4/1.37=3.94..で大体4倍ぐらい違うと言うことです。
ここで正確に4にならないのは、管楽器の場合は管の太さに比例する開口端補正というものが生じるためですが、詳細はググって調べてみてください
トランペットは細く、チューバは太いので、トランペットに0.01m(=1cm)、チューバに0.12m(=12cm)の開口端補正を考えてみると、5.52/1.38=4でぴったり4倍になります。

管の長さが半分になると1オクターブ高くなることはピッコロとフルートの関係を見ればわかりやすいと思います。トランペットとチューバのように、管の長さが4倍違う場合は、2オクターブ違うと言うことですね。

このことから、周波数(f)と波長(λ)にはお互いに関係がありそうだと言うことは薄々感じると思いますが、これに波の速さ(v)を加えると、以下の式で表せます。

f(Hz) = v(m/s) / λ(m)  … (1)

(1)にあるように、vの単位は(m/s)でλは(m)なので、単位だけで計算すると、fは(1/s)で秒の逆数になっていますが一般的にはHz(ヘルツ)という単位になります。(mはメートル、sはseconds=秒を表しています)
そして中学で習った空気中の音波の速さ(m/s)は、

v ≒ 331.5 + 0.6 × T  (Tは℃(気温)) … (2)

と表せます。つまり気温によってほぼ一定ということです。
ここで(1)式と(2)式を合わせ、空気の気温を20℃とすると、

f(Hz) ≒ 343.5(m/s) / λ(m) … (3)

となり、音波の伝達物質が固定の場合、波長(λ)と周波数(f)は反比例の関係になることがわかります。

ただし、これが空気ではなく固体や水中やヘリウムガスの中の場合では、速度が変わり(3)式の343.5の部分が大きい値(塩素や二酸化炭素の気体中では小さい値)になります。

また、ヘリウムガスを吸ったときに声が高くなるのは、肺の中から口に出すまでの間の空気の中での音波の伝達が速くなるために周波数が増加します。
同じく、管楽器の場合も音の発生源である管の中を伝わるので周波数が増加します。
ところがギターや打楽器、スピーカーから流れる音の場合は音の発生源には影響を与えません。そのため水中やヘリウムガスが充満した空間で音楽を流しても、周波数は変わりません。
その代わり音速に波長が変わります。

ということで、(1)の式から、同じ音がなっている(周波数が一定)場合で、音波の速さが大きくなったときには、波長も大きくなるということです。この場合は、(1)を変形した式で考えるとわかりやすいと思います。

v (m/s) = f(Hz) × λ(m) … (1)'

(1)'では、 f が固定の場合には、速度(v)が大きくなるときには波長(λ)が大きくなるという比例関係があることがわかります。

ちなみに音波というのは、伝播する物質の振動、つまり圧力変化で伝わるため、物質がない真空状態では音は伝わりません。
あとパトカーや救急車のサイレンが、近づくときと遠ざかるときで音が下がる、ドップラー効果はご存知でしょう。
これは音源の車の前方では、音源の移動による速度分だけ、波長が圧縮されるため音高が上がり、後方では波長が伸びるために音高が下がります。

さらに究極のドップラー効果で、音速を超える飛行機から発生する音の斜め前方では、音の速さよりも音の発生源の移動の方が速いために、波長が圧縮され空気の壁となるために、衝撃波という強烈な空気圧が発生するわけです。

今回は数学というよりは物理ですね。
ちょっと難しかったかもしれません

ではまた。

2017年9月30日 (土)

音楽と数学 (確率) その4

さて前回は、アドリブ自体の数値化の話をしました。

今回はやっと重い腰をあげてアドリブの解析を始めようと思います。
題材は、畏れ多くもジャズのアドリブの神様Charlie Parkerの、Confirmationを取り上げたいと思います。
なぜこの曲かというと、たまたま家にYAMAHA MUSIC MEDIAから発行された『チャーリーパーカのオムニブック』があったのと、実際このConfirmationのアルトサックスのソロは、耳に残るし、非常によくできたアドリブだと思います(って神様をほめてどうする)。そして著作権が切れているというのも大きなポイント。大手を振って解析できます。
曲はこちらを聴いてみて下さい。↓
という曲ですが、このうちのメロディが終わったところからアルトサックスソロ部分のみの64小節を、4小節ずつ分けて音符の数を解析したのが次の表です。

 

音符数

8分系音符数

16分系音符数

音域

1

30

22

6

F#1 - D3

2

31

24

6

F#1 - G2

3

43

0

42

G#1 - A2

4

33

24

9

E1 - A2

5

28

22

5

F#1 - D3

6

27

19

5

F1 - D3

7

21

19

0

A1 - D3

8

32

28

2

Eb1 - A2

9

25

21

2

A1 - G2

10

25

14

7

Eb1 - F#2

11

33

7

25

E1 - D3

12

26

14

10

E1 - C3

13

24

23

0

A1 - Eb3

14

38

25

12

E1 - D3

15

22

17

2

F#1 - A2

16

39

29

6

F#1 - A2

そしてこの表から、前回の音楽と数学 (確率) その3で示したAに関する数値を以下の法則にしたがって当てはめてみます。
1.音符数・・・各4小節の音符数の増減(±3以内は0とする)
2.音量・・・実際の音源からのVolume評価
3.音高・・・音域の平均値の上下
4.テンポ・・・8分系と16分系の比較(数の入れ替わった際は±1のいずれか)
5.方向・・・譜面において最小二乗法で傾きを判断(音符の玉の大体の位置を定規をあててみて
6.和音・・・コード展開が激しいところが1、展開が少なくなるところが−1
B-1.音色、B-2.アクセントに関しては大変になりそうなので今回は諦めます
これをまず表にすると次のようになります。

 

音符数

音量

音高

テンポ

方向

和音

1

-

-

-

-

1

-

2

0

0

-1

0

-1

0

3

1

0

0

1

0

0

4

-1

0

0

-1

0

-1

5

-1

1

1

0

1

0

6

0

0

0

0

0

1

7

-1

0

0

0

1

0

8

1

0

-1

0

0

0

9

-1

-1

0

0

1

0

10

0

0

0

0

0

0

11

1

0

1

1

1

0

12

-1

0

-1

-1

1

0

13

0

1

1

0

-1

-1

14

1

0

0

0

-1

0

15

-1

0

-1

0

0

1

16

1

-1

0

0

0

0

そしてこれらの数値を横に足し合わせたグラフにした結果が、次のグラフです。 

 

Confirmation_2

さて、こんな結果が出ましたが、実際のアドリブの盛り上がりは、11番目よりも13番目の方のように聞こえます。

そう考えると、音数よりも音高の方が盛り上がりを感じさせる可能性があるので、音高に掛け合わせるスケールを1ではなく10ぐらいにすると次のようなグラフになります。

 

Confirmation_3

うーむまだまだな感じですね。

多分、音高に関してはもう少し細かい指標を考えた方がよさそうです。
あと今回は考慮していない、音色とアクセントですが、今回の解析から本当に関係あるのか怪しい感じです(笑)
他にも必要ないような数値もありそうだし、それよりも盛り上がりでの音の伸びを数値化する必要がありそうな気もします。
ただ、何となくアドリブの盛り上がりを数値化することで、アドリブがどうあるべきかが見える気がして来ました

2017年7月16日 (日)

音楽と数学 (確率) その3

さて前回から間が空いてしまいました。
なかなか考えをまとめるのに時間がかかっています。
とりあえず、一歩一歩前進していきたいと思います。
前回は確率の前置きを長々と書きましたが、アドリブを数学で解析してみます。

とはいえ物事を数学解析するには、まずアドリブ自体を数値化する必要があります。そこで、ある時間的区間にある、アドリブの盛り上げや盛り下げに関する音高、リズム、和音の要素(A)として次のものを考えてみました。
  1. 前の区間と比較した場合の、音符数の上下
  2. 前の区間と比較した場合の、音量の上下
  3. 前の区間と比較した場合の、音高の上下
  4. 前の区間と比較した場合の、テンポの上下
  5. 前の区間と比較した場合の、音の向かう方向の上下
  6. 前の区間と比較した場合の、和音(ハーモニー)の複雑さの上下

これらの要素は、譜面をみればわかるものです。
さらにアドリブにおいての音高、リズム、和音以外の要素(B)に関しては次の要素があります。

  1. 前の区間と比較した場合の、音色の変化
  2. 前の区間と比較した場合の、アクセントパターンの変化
こちら側の要素は、2は譜面で書かれることも多いですが、1の方は楽器に依存したり、楽器の奏法が書かれない場合は、譜面には現れません。
歌が入ってくるとこれ以上に複雑な要素が増えると思うので、しばらくはインストルメンタルな曲に対して、これらの指標を割り当ててみます。
例えば、1の音符数の上下。
ある時間の音符数と次の時間の音符数の比較で、変化がない場合は0。
音符数が増える場合は1。減る場合を-1とします。このようにしてこれらの要素を数値化します。

A1:音符数 -1:DOWN, 0:変化なし, 1:UP
A2:音量 -1:DOWN, 0:変化なし, 1:UP
A3:音高(平均音高) -1:DOWN, 0:変化なし, 1:UP
A4:テンポ -1:DOWN, 0:変化なし, 1:UP
A5:音の方向 -1:DOWN, 0:変化なし, 1:UP
A6:和音の複雑性 -1:DOWN, 0:変化なし, 1:UP
B1:音符数 0:変化なし, 1:変化あり
B2:アクセントパターン 0:変化なし, 1:変化あり

さて、これを元に誰かのアドリブを解析していきたいと思いますが、誰にしようかな?
あと現状では0と±1しか使っていませんが、もしかしたら今後数値を変更した方がよいかもしれないので、そこは後々ということで。

まだ先は長そうです

2017年5月27日 (土)

音楽と数学(確率) その2

しばらく行列について書いてきたのですが、行列だけでもかなり奥深く行ってしまいそうで、すでについていけなくなった人は、前の記事しか読まない気がするので、しばらく別方向へ。
それで複素数にしようか確率にしようか悩みましたが、以前確率について書いていて(こちら)、アドリブと確率については後日と書いていたので、そちらの方を書きたいと思います。

アドリブというのは、ある曲のテーマのコード進行の上で即興演奏を行います。
ただし大抵の場合は、最初の1コーラス目と最後の1コーラスはテーマのメロディをそのままやったりフェイク(ちょっとメロディを崩した感じ)で演奏します。
その前後にイントロとアウトロを入れるのが普通ですね。

さてどこに確率が入ってくるかというと、ジャズではその場で即興演奏しないといけないということは、あるコード進行上で自分でフレーズを考えないといけません。
でも毎回同じフレーズだと、聴く方も「またか!」と思ったり、すでに誰かがやったフレーズだと「コピーじゃないの!」とか、わかる人にはバレてしまうので、やはりその場で雰囲気にしたがってやらないといけません。
「音楽療法入門」芸術現代社 では、「音楽は時間的に秩序づけられた行動を求める」とあります。つまり音楽には時間的に前後が存在し、その前後の繋がりに理由があることを認識するということです。
演奏する立場としても、直前と全く違うことをすれば、そこで繋がりは分断され、聴く側としては違う曲になったと感じるということです。
受動的な音楽療法で、分断された音楽を聴かされると不快になるし、能動的な音楽療法で分断された演奏をする人であれば、その人は精神分裂症か、何かの普通ではない人ということになります。そういう演奏もないわけではないですが、その曲に精神的な繋がりすらない場合は、単なる音の羅列であってあまり意味がないものだと思います。
前置きが長くなりました。この時間的な秩序がアドリブにも必要で、アドリブを構成する際には重要になります。
この時に聴く側の予想するフレーズと演奏側のフレーズが一致するのであれば、標準偏差は0ということになります。
ここでの標準偏差とは、『予想するフレーズが発生する確率』であって予想フレーズに近いほど、確率分散(予想と結果の誤差の度合い)が小さくなり、その結果として標準偏差(誤差の度合いを集めたものから、その誤差が突拍子も無いものであるか、一般的なことかを表す値)が0になるということです。この値が0に近づくほど、予想通りに事象が起こったと言えます。
そうなると、レコードやCDや電子媒体他、記録された音楽は毎回同じで、何十回何百回何千回も聴くと標準偏差は限りなく0に近づくはずです。
人間の脳の記憶と全く一致してしまったり、どこにでもある曲と同じで予想通りであれば標準偏差はほぼ0と言ってよいでしょう。
ただ音楽全体においてはフレーズだけではなく、コード進行、コード構成、サウンドなどもっと複雑な要素が絡むため、なかなか飽きない音楽というのが存在します。
人によって差がありますが、この標準偏差が0に近づくと、その曲に飽きたり、つまらない曲になってしまいます。自分の場合はこの標準偏差の閾値が他の人より大きめなので、もはや大抵の曲に飽きてしまってます(笑)
どこにでもある曲ということを認識するのは、耳が肥えた状態であって、多くの曲を聴いていないと経験できないものです。
若い人中心に人気のあるポピュラー音楽の中で、年配の方にはなんでこんな曲が売れるの?と思うこともあります。これは若い人には新しいサウンドであっても、年配の人には似たような記憶があるためにこのように思うわけです。
その代わり自分が若い頃に聴いたポピュラーが良かったなぁ。と思うのですが、もう一回改めて何度も繰り返し聴いてみたら意外とつまんなかったりしますよ。
となると耳が肥えた人が聴くべき音楽は即興演奏以外ありえません。何しろ毎回違うわけですから。
ところがそんな即興演奏の世界なのに、意外と毎回同じことばかりやっている人の多いこと。
おっと!こんなことを書くから演奏者のお友達がいなくなっていく
さて、今回は説明ばかりになりましたが、次回はアドリブを数学で解析する予定です

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