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2019年7月 7日 (日)

音楽と数学(番外編)

微分積分の途中ですが、今回は番外編として音楽での時間的な遅延の問題について書こうと思います。

先週は山﨑陽子氏主宰のLaranjaライブにも参加させていただきました。

そのライブでも少し演奏しましたが、笙のシミューレーションアプリを現在開発しています。

これは今までのアプリの技術を使いつつ、笙という雅楽の和音担当の楽器をアプリ上で再現しようと作成しています。

ただ新しいものというのは色々と難しいことがあ利ます。笙の和音を出すに到るまでにiPhoneXでの処理能力を越える部分もあり、こんなにコンピュータが発達しても、リアルタイムを追求するには研究開発の余地があります。

実は昨年はAndroidの方で、動画のリアルタイム配信に関わる仕事をしていました。基本的に高精度な画面データをリアルタイムで送信するには、必ず遅延が存在します。その際に使う低遅延送信が可能な動画と音声のフォーマットも世界で研究され、ハードウェアと共に発達しています。

4Kや8Kでの高精度画像のリアルタイム動画配信は現在は125ミリ秒(1秒の1/8)程度の遅延があり、単なる配信の場合は遅延した視聴でも一般のユーザーが困ることはありません。
ただし音楽でリアルタイムで演奏しようとした場合には、125ミリ秒の遅延があるとテンポ60の場合の32分音符の遅延が生じることになります。

一時期、ネットワークを通じて全世界で同時にセッションが出来ないかの実験がありました。動画で指揮を見ないでMIDIというデータだけなら、実際全世界に光速に近い速さでデータ転送が可能です。

しかしよく考えてください。ネットワークでは光速の通信ができるようになりましたが、実は光の速さは意外と遅いのです。

光の速さは約300メガ(m/s)=300,000(km/s)なので、一秒に300,000(km)進みます。地球の外周は約40,000(km)ですので、一般に光は300,000/40,000=7.5、つまり一秒に地球を7回半回れるということです。

うわぁ早い!と思った方、いや確かに早いのですが、リアルタイムで光通信で演奏した時に、日本にいる人がMIDIキーボードで音を出した音は、ほぼ日本の地球の裏側にいあるブラジルの人は、最速で地球の半周分の時間、1/(7.5×2)=1/15≒0.066...(秒) =66ミリ秒後に聴けることになります。

そしてその音に反応したブラジルの人の音を日本の人が聴くのは、最速でもその66ミリ秒後になるので、それだけで133ミリ秒の遅延が生じます。

この遅延は前述のテンポ60での32分音符よりも遅いということです。

セッションというのは演者それぞれの音を聴き、次の音を想像しつつやるものなのですが、お互いの演奏に66ミリ秒の遅延を加えて演奏する事は不可能です。先のブラジルオリンピックで、日本と現地との電話通信のズレがあったと思いますが、現在の最高技術を使っても、そうなってしまうことがわかります。

ただし、今回は極端な例を出しましたが、日本国内で本州内でセッションした場合2,000(km)ぐらいとして、2,000(km)/300,000(km/s)≒6.7ミリ秒で、 多分光通信で電話するのと同じですので、人間の予測コミの演奏であればできます。

さて以上から光より速いものがあるのであれば全世界セッションが出来ますが、それよりもタイムマシンが出来てしまいます(笑)

ではまた。

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